子どもの発達段階に沿った親の学びを

2003年10月にNPO法人の認証を得て発足した特定非営利活動法人日本タッチ・コミュニケーション協会は、その翌年2004年5月に (財)マツダ財団の支援を受け『子どもの一生を考える連続6回講座』を開催しました。この事業は、子どもの成長を乳児期、幼児期・児童期・ 思春期・成人期・終末期と6段階のスケールで捉え、子どもの一生からみた今ここでの育児、子育てを考えよう、という発想から企画しました。

私は新生児からのタッチストロークの重要性について話し、さらに私たちが胎児のときに包まれていた羊水の温かさ、お母さんとへその緒で繋がれ、栄養補給が絶えることのない安心感、そしてお母さんとの一体感を参加者にイメージトレーニングして頂きました。参加者からは『実際に胎児になった気分を疑似体験して、生まれたばかりの乳児の感覚が共感できたような気がする』『子どもの立場に立って、ものごとが感じ取れるような気持ちがした』との感想が多く寄せられました。6回の講座を担当した、産婦人科医・心理学者・内科医・幼児教育研究者をはじめとする専門家の話の共通点は、いくつになっても人は『存在認知』と『無条件の愛と許し』を求め続けているということ、そして『ストローク(ふれあい)の重要性』でした。これをきっかけに『子どもの一生をスケールに子育てを考える』という全国的にもあまり例のないテーマで子育て支援を始め、講座を受講された方は延べ1万人を超え、その頃赤ちゃんだった子どもたちも幼稚園や小学校に通う年頃となりました。子どもが成長するに従い親の悩みも多岐にわたり、「さらなる学びの場」を求める声が増えてきております。当法人は、これからも皆さまのニーズにお応えできるよう研鑽して参ります。

2009年5月25日更新
NPO法人 日本タッチ・コミュニケーション協会
宇治木敏子

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